女性の場合、自分の性癖や性欲に関して話をする機会は少ないかもしれません。
そのため、性欲がない状態が正常なのか異常なのかが分からず、悩んでいる女性も多いのではないでしょうか。
性欲には個人差があり、何らかのできごとやタイミングなどによっても、強さが変わるものです。
性欲や性行為によるオーガズムは、女性ホルモンの分泌に関わるといわれているので、心配になってしまうこともあるかもしれません。
ここでは、性欲がなくなってしまう理由や性欲がないと起こる問題、性欲を高めるための対策などを解説します。
性欲低下に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
女性と男性の性欲は異なるの?
一括りに性欲といっても、女性と男性とでは異なるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
一般的には、男性のほうが女性より性欲が強いイメージがあるかもしれませんが、実は男性と女性では、性欲が高まるスイッチが異なるのです。
男性は、視覚的な部分を刺激されることで性欲が高まるといわれ、内側つまり肉体から性への衝動が沸きおこるとされています。
一方、女性の場合は、触れることで性欲が高まるといわれ、肉体ではなく精神的な部分から性的な興奮を感じるとされています。
このように、男性は肉体的な衝動から、女性は精神的な興奮から性欲が湧き上がるという違いがあるのです。
男性より女性のほうが性欲へのスイッチが入るタイミングが遅いことから、一般的には男性のほうが性欲が強いといわれるのかもしれません。
女性の性欲がない主な理由
女性の性欲がない理由は人によって異なり、主に以下の6つが挙げられます。
ここでは、それぞれの理由がどのように性欲に関係しているかを解説していきます。
性交渉にトラウマがある
性欲が低下するのは、性交渉に対するトラウマが原因かもしれません。
例えば「胸が小さい」「セックスが下手」など、男性の発した軽はずみな言動や、痴漢やハラスメントなどの性的な被害がトラウマとなることがあります。
性交渉に対してネガティブな感情を持っていると、性欲が沸かなくなってしまうのです。
また、一時的なものではなく、ずっと性欲がない場合は、幼少期に性に対するネガティブな情報をすり込まれているケースもあります。
いずれにしても、心因性の性欲減退はカウンセリングが必要となる場合があるので、カウンセラーなどに相談したほうが良いかもしれません。
性交渉時に痛みを感じてしまう
性交渉時に痛みを感じるという方は、当然ですが性欲がなくなってしまいます。
性交渉をするときに感じる痛みは「性交痛」というもので、主に膣分泌液が少ない、もしくは出ないことが原因です。
膣分泌液は、性欲が高まったり性的な快感があったりするとたくさん分泌され、疲れていたり気持ち良くなかったりすると分泌されないことがあります。
この状態で性交渉をすると、ただの痛みしか感じられないため、性欲が低下するといわれています。
疲労やストレスが溜まっている
疲労やストレスが溜まっていると、性への欲求が弱まるといわれています。
疲労やストレスが溜まると、回復させるためにエネルギーが使われます。
人間は、すべての行動に対してエネルギーを使いますが、消費が優先されるのは食事や睡眠などの生命維持活動です。
その次に、体や精神の状態を安定させるためにエネルギーが使われるため、性欲に対するエネルギーは後回しになってしまいます。
つまり、疲労やストレスが溜まっていると、エネルギー不足になるので、性欲が低下すると考えられるのです。
また、性行為は体力を消耗するので、疲れている状態だと精神的にやる気が失せることもあるかもしれません。
パートナーに魅力を感じていない
パートナーがいるのに性欲がない場合は、パートナーに対して魅力を感じていないことが原因になっている可能性があります。
例えば、一緒に長年過ごしているがために、家族のような関係・存在になってしまっていると、異性として見られなくなり、性欲が沸かないこともあるでしょう。
また、加齢によって容姿が変わってしまったり、自分好みの体型ではなくなったりすることも、性欲に影響することがあります。
もしもほかの異性に対して性欲を感じるならば、パートナーへの気持ちが性欲を低下させていると考えていいかもしれません。
妊娠や出産を経験した
妊娠や出産を経験すると、性欲が低下することがあります。
妊娠や出産は、ホルモンバランスに影響を与えるため、性欲が増減するのは自然なことです。
例えば、妊娠初期は女性ホルモンの分泌量が安定しないため性欲が低下しますが、安定期に入ると分泌量も安定してくるので回復していきます。
しかし、妊娠後期になるとお腹も大きくなり、胎児への影響を考えることで、性欲が減退する女性が多いようです。
産後は、女性ホルモンの分泌量が低下することで性欲もなくなりますが、新生児のお世話の疲れや十分な睡眠が取れないなどの理由で、性交渉をしたくないという女性も少なくありません。
避妊目的でピルを服用している
避妊目的でピルを服用している場合、ピルの種類によっては男性ホルモンが抑制され、性欲が減退する場合があります。
ピルは卵巣の働きを抑える作用があり、卵巣では女性ホルモンだけでなく、性欲に関係するアンドロゲンという男性ホルモンも作られています。
卵巣の働きが抑えられると、アンドロゲンの分泌も抑制されることで、性への興味が薄れることもあるのです。
ただし、ピルの種類によってはアンドロゲンへの影響を抑えられるので、性欲減退が気になる方は、医師に相談してみると良いでしょう。
女性の性欲がないことで起こる問題
性欲がないとしても、体に何らかの影響をおよぼすことはありません。
ホルモンバランスの異常や精神的な問題がなければ、性欲がないとしても特に問題はないでしょう。
しかし、今後の自分が「どうありたいか」によっては、問題が起こる可能性があります。
例えば、結婚や妊活を考えているのであれば、性欲がないことは問題になってくるかもしれません。
性欲がないと、特にパートナーがほしいとは思わないかもしれませんが、いずれ結婚をしたいと考えている場合はパートナーが必要です。
パートナーを作るとなれば、性交渉をする必要性も出てくるでしょう。
年齢によってはまだ気にしなくても大丈夫ですが、結婚して出産まで考えているのであれば、やはり早めに対策をすることをおすすめします。
今は40代でも出産する方が増えていますが、高齢出産はいろいろなリスクがあるのも事実です。
出産に適している年齢は35歳ぐらいまでといわれているので、今後結婚や出産を希望している方は、何らかの対策を講じておく必要があるといえるかもしれません。
女性の性欲を高めるために実践したいこと
性欲を高めるためには、性欲がない理由を知って、その理由を改善していくのがベストです。
しかし、自分ではどうにもできないことや改善が難しい理由の場合は、以下のような対策をしてみてください。
ここでは、それぞれの対策について、具体的に解説していきます。
パートナーに素直に打ち明ける
過去のトラウマやパートナーが原因で性欲が低下している場合は、自分の努力で改善するのは難しいため、素直に打ち明けるのがベストです。
トラウマとなっていることや、パートナーに魅力を感じないことなどは言いにくいかもしれませんが、そのまま放置をしていても解決しません。
ただし「魅力がない」とストレートに伝えてしまうと、パートナーとの関係が悪化してしまう可能性があります。
服を変えることを提案したり、いつもと違うデートをしてみたりするなど、工夫をしてみるのがおすすめです。
また、性交渉のやり方に不満や不快感がある場合は、自分がしてほしいやり方を説明するのも良いでしょう。
ストレス発散ができる行動をする
ストレスが溜まっていると、性交渉に対する興味やモチベーションが低下してしまうので、ストレス発散ができる行動を取ってみましょう。
カラオケやアウトドアなど思い切り趣味を楽しむと、ストレス発散になります。
また、ストレスを緩和する音楽を聴いたり、副交感神経を優位にしてくれるリラックスタイムを取ったりするのもおすすめです。
生活習慣を見直す
外食が続いていたり食事が不規則だったり、睡眠時間が短い、運動をほとんどしないなど生活習慣が乱れていると、女性ホルモンのバランスが乱れて性欲も減退してしまいます。
このような場合は、生活習慣を見直しましょう。
できるだけ同じ時間に食事を摂る、外食は控える、質の高い睡眠を取る、毎日適度な運動をするなど、できることから始めることをおすすめします。
また、仕事が忙しい方は、仕事内容も見直してみてください。
何でも引き受けてしまう、頻繁に飲み会に付き合わされるなど会社を優先してしまうと、生活習慣を整えるのは難しいのが実情です。
自分以外の人でもできそうな仕事は人に振る、飲み会は月に1~2回程度にするなど、周りに合わせすぎないようにして自分の生活を整えると、性欲も復活するかもしれません。
体を冷やさないようにする
体が冷えると、子宮や卵巣の機能が低下して、ホルモンバランスが不安定になるといわれています。
また血液循環が悪くなるため、体調不良のような症状が起こったり、眠りが浅くなったりするなどさまざまな不調が起こり、性欲が低下してしまうこともあります。
いずれにしても、女性は冷え性の方が多いので、健康のためにも体を冷やさないようにしましょう。
体を温めると、下記のようなメリットが得られます。
- 卵巣の機能正常化
- 肌荒れ改善
- 基礎代謝のアップ
- 免疫力のアップ
- 腰痛や肩こりの改善
もちろん体調も整いやすくなるので、疲れやけだるさなどが取れることで、性交渉へのモチベーションアップ効果も期待できます。
夏でも靴下を履く、湯船に浸かる、ストレッチなどの軽い運動をする、冷たい飲み物を控えるなど、温活の方法はいろいろあるので、生活に取り入れやすい方法で体を温めましょう。
潤滑剤を活用する
膣分泌液が少ない、性交渉時に痛みを感じる方は、潤滑剤を活用してみましょう。
潤滑剤は膣を潤してくれるので、性交渉の痛みを軽減させる効果が期待できます。
痛みがなくなれば、ネガティブなイメージも消えるので、性欲が戻るかもしれません。
潤滑剤には、ローションや潤滑ゼリーなどの種類があるので、自分が使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
おもちゃを使ってみる
大人のおもちゃを使って物理的に体を刺激してみると、性欲が高まることがあります。
特にパートナーとの性交渉に快感がない、性交渉の気持ち良さが分からないという方は、おもちゃを使うのがおすすめです。
人によって違いはあるものの、大人のおもちゃを使うと快感がオーガズムを迎えやすくなったり、快感によって性欲が高まったりすることがあるようです。
最近は通販でも購入できるので、簡単に使えるものを試してみるといいかもしれません。
【まとめ】女性の性欲がなくても身体に悪影響はない
性欲の強さはいつでも一定ではなく、身体やメンタルの状態も大きく関わってきます。
例えば、疲れが溜まっていたり、ストレスを抱えていたりするとホルモンバランスが乱れてしまい、性欲が低下することもあるのです。
しかし、性欲は身体やメンタルの影響を受けるとしても、性欲がないからといって身体に悪影響が起こるわけではないので、その点は心配しなくても大丈夫です。
ただし、パートナーがいる方やこれから妊活を検討している方、もしくは婚活をしている方にとっては、少し深刻な問題かもしれません。
「早く解決しなくては」と焦ってしまうと、自分を追い込むことが精神的な負担となる可能性もあるので、注意しましょう。
「性欲がなくなることは誰にでもある」ぐらいに考えて、自分にあった対策方法をゆっくり実践してみてください。