男性は比較的、性欲に関してオープンに話をしますが、女性の場合は自分の性欲に関して人に話すことは少ないかもしれません。
そのため、とても性欲が強いと「女なのに性欲があるのはおかしいかも」「どうやって性欲と向き合えばいいのか分からない」などの悩みをもっている方も多いのではないでしょうか。
人間は性に対する欲求があるのは当たり前なので「女性だからおかしい」ということはありません。
しかし残念ながら、いまだに日本では、女性の性欲に関して偏見があるのも事実です。
だからといって押さえ込む必要はなく、たとえ人に相談できないとしても、自分で解決することも可能です。
ここでは、性欲との向き合い方や解消方法、メカニズムなどについて解説するので、悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
性欲が沸く仕組み
性欲とは、文字のとおり、性的行為に対する欲求のことです。
そもそも、なぜ男性と女性で強さが違うという現象が起こるのでしょうか。
それは、性欲が沸く仕組みに違いがあるからです。
その違いはホルモンにあり、男性の場合はテストステロン、女性の場合はエストロゲンというホルモンが性欲に影響を与えています。
テストステロンは、異性を惹きつけるフェロモンを発生させたり、興奮作用があるドーパミンという神経伝達物質を増やしたりする働きがあります。
さらに、勃起を促す骨盤神経を刺激するため、男性の性欲が強くなるのです。
エストロゲンには、性行動を活性化する視床下部や脳の扁桃体に作用する働きがあります。
そのため、エストロゲンの分泌が増加する時期になると、女性の性欲は強くなるのです。
また、女性の場合はオキシトシンというホルモンも、性欲に関係している可能性があります。
オキシトシンは視床下部で作られるホルモンで、分泌されると全身を巡ります。
直接性欲に関係しているホルモンではありませんが、母性を高める働きがあるため、パートナーとの絆を強めたいという気持ちが性欲につながることもあるようです。
性欲が強いことっておかしい?
性欲の強さに関する明確な基準はありませんが、それでも自分で強いと感じている方は「おかしいのかな?」と不安になることがあるかもしれません。
しかし結論からいうと、おかしくはないうえに、異常でもないので安心してください。
個人差があることなので一概にはいえませんが、性欲は年齢によって変わり、強くなる時期もあれば弱くなる時期もあります。
人によっては「若い頃はすごく強かったのに、年齢とともに興味がなくなった」ということもあるので、たとえ今どんなに強くても「そういう時期なんだな」ぐらいの感覚で捉えて大丈夫です。
もし日常生活に支障がある場合は、病院受診を検討しよう
基本的に性欲が強くても問題ありませんが、もし日常生活に支障がある場合は、病院受診を検討してみましょう。
日常生活に支障といっても、どのような状態が支障となるのか分からない場合は、下記のような状態を目安にしてみてください。
- 性欲が強いことで精神的な苦痛(辛い、苦しい)を感じる
- 性行為をしないと狂いそうになる
- 性行為にメンタルや肉体が依存している
このレベルまで達している場合は、医療機関に相談してみたほうが安心です。
しかし、このような状態でなければ、強いとしても気にする必要はないでしょう。
どうしても性欲が抑えきれない場合の解消方法
どうしても性欲が抑えきれない場合は、無理に我慢せずに、解消方法を実践することをおすすめします。
これらの解消方法のなかから自分に合いそうなものを見つけておくと、性欲が我慢できないときに解消できるので、チェックしておきましょう。
運動や趣味でストレス発散を行う
人間は何かに集中すると、ほかの欲求を忘れてしまうことがあるといわれています。
この性質を利用して、運動や趣味でストレス発散を行ってみるという方法があります。
ランニングやウォーキング、水泳、テニスなどのきつすぎない運動は、心も体もすっきりするので、性欲を抑える効果が期待できるでしょう。
また、料理や読書、好きな芸能人の動画や映画鑑賞など、趣味に没頭するのもおすすめです。
性行為以外のことに没頭すれば、性に対する興味も削がれやすくなるので、無理なく欲求を抑えることが可能です。
趣味がない方は、以下のようなアクションを起こしてみてください。
- いろいろな動画を観て興味があるものを探す
- アイドルのMVを観て推し活ができそうな人を探す
- ランキング上位に入っている本を読んでみる
- とりあえず最新で人気の高い映画を観てみる
「自分は興味がない」と決めつけていることでも、このような行動をすれば、新しい趣味が見つかるかもしれません。
趣味は飽きることもあるので、1つよりも複数あったほうが性欲を抑えるのに役立ちます。
美味しいものを食べて食欲を満たす
食べるのが好きな方は、美味しいものを食べて食欲を満たしてみましょう。
人間には「食欲」「性欲」「睡眠欲」という3大欲求があり、1つの欲を満たすと、ほかの欲が軽減されるといわれています。
そのため、食欲をしっかり満たすことで、性欲を抑えられる可能性が高いです。
もちろん睡眠欲を満たしてもいいのですが、「食べる」という行為は、味覚や嗅覚、視覚などの五感を使うので、より満足感を得られます。
さらに、自分が「美味しい」と感じるものを食べれば、十分に欲求を満たせます。
性欲を抑えたい場合は「好きなものを食べる」という方法を実践してみるのもおすすめです。
生活習慣を見直してみる
ストレスやイライラが溜まって自律神経が乱れると、性行為で発散させたいという欲求が出てくることがあるので、生活習慣を見直すと性欲を抑えやすくなります。
生活習慣を見直すポイントは、規則正しい食事・適度な運動・質の高い睡眠です。
このなかでも特に注意したいのが、質の高い睡眠がとれているかどうかです。
質の低い睡眠は睡眠不足を引き起こし、この状態が続くと、疲労が蓄積してイライラやストレスが増加するため、睡眠の質を上げることが重要になります。
睡眠の質を上げるには、以下のようなことを意識してみましょう。
- 交感神経を刺激しないように、寝る前にはスマホやテレビを観ない
- 寝る1時間前には照明を落として、副交感神経を優位にする
- 寝具にリラックス効果のあるアロマスプレーをかけておく
質の高い睡眠のポイントはリラックスなので、寝る前には視覚や聴覚からの刺激を避けてください。
穏やかな状態で眠りにつけるようにすると、睡眠欲が満たされて、性的欲求を抑える効果が期待できます。
パートナーと性行為をする
特に問題がなければ、性的な欲求が高まっているタイミングで、パートナーと性行為をしましょう。
好きなパートナーと性行為をすると「愛着ホルモン」といわれるオキシトシンが分泌されるので、性的な欲求だけでなく、心も満たされます。
愛する人との性行為は健全なものなので、性欲を感じたら遠慮せずパートナーを誘ってください。
セルフプレジャーを楽しむ
恋人がいない、パートナーと性行為できる状況でない場合は、セルフプレジャーを楽しむのも1つの解消方法です。
性行為は相手がいなければできませんが、セルフプレジャーであれば自分で好きなように欲求を満たせます。
まだやったことがない方からすると「自分でするのは恥ずかしい」と思うかもしれません。
しかしセルフプレジャーは、オルガズムに達しやすいというメリットがあります。
女性がオルガズムを得やすいのは、クリトリスへの刺激なので、性行為ではオルガズムを得られないという方もいるのではないでしょうか。
セルフプレジャーであれば、クリトリスを自分好みの強さで刺激できるので、オルガズムに達しやすいです。
幸せホルモンのプロラクチンやオキシトシンが分泌され、満足感を得られます。
セルフプレジャーは、女性用AVを観ながら指で行うのがスタンダードですが、指で行うのが怖い場合は、ラブグッズを使ってみると良いでしょう。
女性用風俗を利用する
自分でするのは嫌、やっぱり相手がほしいという場合は、女性用風俗を利用する方法もあります。
女性用風俗は、名前のとおり男性がキャストとなって女性に性的なサービスを行ってくれるお店で、なかには家やホテルに来てくれる出張サービスもあります。
ただし、風俗といっても、基本的に男性器を挿入する本番行為はしません。
そうなると「どんなサービスが受けられるのか」と気になる方もいるかもしれませんが、主に以下のようなサービスが受けられます。
- キス(ソフト~ディープ)
- フェザータッチ(触れているか分からないぐらいのボディタッチ)
- ハグ(自分からもしくはキャストから抱きしめてもらう)
- 指入れ(膣内に指を入れて性的な部分を刺激してくれる)
- クンニ(女性器を舌で舐めてくれる)
- マッサージ(性感帯を中心に全身をマッサージしてくれる)
- リップ(性感帯や全身を舐めたり愛撫したりしてくれる)
このように、本番行為以外であれば、性的な欲求を満たしてくれるサービスがそろっているので、興味がある方は利用してみましょう。
女性の性欲に関係する3つの性ホルモン
女性の性欲には、以下の3つの性ホルモンが関係しています。
性欲を理解するには、この3つのホルモンの働きを知る必要があるので、チェックしておきましょう。
①エストロゲン
女性ホルモンと呼ばれるエストロゲンは、生理が終わってから排卵前までに分泌量が増えます。
エストロゲンには、以下のような働きがあります。
- 胸やお尻などに丸みをつけ女性らしい体を作る
- 女性器の周辺の健康維持
- 女性器の発達や成熟を促す
このような働きにより、女性の体は性行為に対する準備ができるので、感受性が高まったり膣分泌液が増えたり、性的な興奮も高まるといわれています。
②プロゲステロン
エストロゲンと同じく、女性ホルモンと呼ばれるプロゲステロンは、排卵が終わった後から生理前にかけて分泌量が増えます。
プロゲステロンには、以下のような働きがあります。
- 子宮内膜を安定した環境に保つ
- 乳腺の発達を促す
- 受精卵が着床しやすい環境を作る
このような働きから分かるように、プロゲステロンは妊娠できる体作りや妊娠を維持する役割をもっています。
そのため、このホルモンが分泌される時期は、性欲が抑えられるといわれています。
③テストステロン
男性ホルモンの代表ともいえるテストステロンは、女性の体内でも分泌されています。
ただし、分泌量は少なく、エストロゲンやプロゲステロンのように生理に関係していないため、女性の場合は分泌による性欲への影響は少ないと考えられるホルモンです。
テストステロンは、副腎や卵巣で作られます。
相対的に分泌量が多くなると、性的な興奮や欲望を刺激するため、衝動的な性欲を強くするといわれています。
年齢別でみる、女性の性欲の変化
女性の性欲は、年齢によっても変わります。
ここでは、各年代の性欲の特徴を紹介します。
20代女性の性欲
20代は、テストステロンの分泌レベルがマックスになるので、性欲も強くなるのが特徴です。
初体験が10代だった場合、20代になると少し経験を重ねるので、性行為に対する心の余裕が出てくる人もいるでしょう。
余裕が出ると、性行為に対する興味も大きくなるので、積極的になる女性も増える傾向にあるようです。
30代女性の性欲
30代になると、テストステロンの分泌量の減少が続きますが、同時にエストロゲンも減少するため、相対的にはテストステロンの働きが強くなります。
テストステロンは性衝動を高めるので、より性欲が強くなる傾向があるといわれています。
また、30代は性行為の経験値も増えるため、体も精神的にも余裕のあるセックスができることで、オルガズムを得やすくなり、性欲も旺盛になるのが特徴です。
40代女性の性欲
40代に入ると、閉経に向けて体に変化が起こります。
この変化は更年期へとつながるため、30代よりもエストロゲンの分泌量が減少し、体には以下のような症状が起こりやすくなります。
- 膣の弾力性の低下
- 膣の分泌液の減少
- 膣炎が起きやすくなる
- 膣壁の萎縮
このような症状は性交痛のリスクを高めるため、40代は性欲が弱くなる傾向があります。
女性の性欲が強くなるタイミング
性欲にはホルモンが関わっているので、ホルモンの分泌量が増えるタイミングで強くなることがあります。
そのタイミングは、以下の2つの時期です。
ここでは、この2つのタイミングで性欲が強くなる理由を解説します。
排卵前後
性欲を刺激するエストロゲンは、生理開始日から14日後くらいまで分泌量が増えるため、性欲が強くなるといわれています。
この時期は、膣からの分泌液の量も増え、パートナーを受け入れやすいメンタルになります。
普段は性欲がないという女性でも、性行為に対して積極的になりやすいです。
また、排卵日後は、性的な衝動を高めるテストステロンの分泌量が増えます。
このように、排卵前後は性欲を刺激するホルモンの分泌量が増加するので、強くなりやすいタイミングだといえるでしょう。
食事をとった2時間後
食後は、空腹が満たされることで消化機能が活性化し、体内は消化活動に集中します。
しかし、食事をとってから2時間ほど経つと、満腹中枢が満たされます。
満腹中枢の近くには、女性の性欲を感じさせる脳があるため、満腹になる食後2時間後は性欲が高まるタイミングだといわれています。
【まとめ】性欲が強いことはおかしくないので安心して
人によって性格が違うように、性欲も人によって異なります。
強い人もいれば弱い人もいるのが当たり前で、たとえ自分がとても強いとしてもおかしくはないため、安心してください。
どんなに人より強くても、解消方法を知っていれば、他人に迷惑をかけることもありません。
ただし、どう考えても異常だったり、仕事に差し支えたりするようであれば、1度医療機関を受診してみても良いでしょう。
いずれにしても、性欲は多かれ少なかれ誰にでもあるものです。
なかには、弱すぎることで悩む人もいるので、深く考えずに自分に合った解消方法を見つけて、上手に付き合ってみてください。